Hokkaido Centennial Memorial Tower Fun

第2回会議 提言黙殺

 
「交流空間構想検討会議」の第2回会議で、西山教授は記念塔を「コストの問題で壊すのだとしたら文化や歴史が積み重ならない。一度考えてほしい」と提言、道はこれを完全黙殺した

 
「ほっかいどう歴史・文化・自然「体感」交流空間構想検討会議」の第1回会議は、一般社団法人地域研究工房代表理事の小磯修二氏の講話を聞くだけで終わりました。2回目は公共政策の立場から北大の石井春吉教授、観光学の立場から同じく北大の西山徳明教授が有識者として呼ばれました。
 
会議は、事務局から「ほっかいどう歴史・文化・自然「体感」交流空間構想」の「概要」が示されましたが、目次だけの1枚、内容について一切の記述のないものでした。議長は質問を求めましたが、会場から声はありません。
 
つづいて前回と同じく有識者の講話を聞くのみの会議となっています。このなかで石井教授は「将来負担ということでは厳しい意識」を持たなければならないと「将来世代の負担」を理由に「解体止むなし」とした道に寄り添った発言をしますが、前提として記念塔は「耐久性を担保しない」で建築されたと誤った認識を披露しています。記念塔が建設されたとき東大宇宙研究所での耐久試験など
耐久性のためにさまざまな実験が行われたという資料・情報を道は石井教授に示さなかったのでしょう。誤解に基づいたまま意見を披瀝したかたちになっています。
 
 つづく西山教授は「50年前に何故あの記念塔を建てたのか、どんな思いを込めて建てたのか、そのときの建立の意図は達成されたのか、そういう検証がなされないままにただコストの問題で壊すのだとしたら、それは文化や歴史が積み重ならない」と道の姿勢を批判。「もう一度考えてほしい」と訴えました。
 
この西山教授の訴えを道は完全黙殺。終了間際にも西山教授は「北海道百年記念塔を新たなシナリオの中で道民のシンボルとして見なす」ように求めますが、これも完全黙殺しました。
 
あまつさえ、公開された議事概要で西山発言は「50年近い歴史を刻んできた貴重な文化資源として後悔の無いよう議論を尽くすべき」と本旨をずらして公表されています。
 
最後に本田優子札幌大学教授の意見書が読み上げられます。百年記念塔について「さらし地にして何もつくらない」というのが本田教授の意見でした。道が北海道文化審議会に意見の提出を依頼したところ、同審議会長の本田氏の他、2名から意見の提出があったとということで紹介となっていますが、なぜか本田氏の意見だけが読み上げられています。
 
こうして構想検討会議の第2回目は、検討らしい検討は一切なく終わりました。
 

 

ほっかいどう歴史・文化・自然「体感」交流空間構想検討会議
(第2回)議事録 (情報公開請求開示資料)

 
○日時平成30年7月13日(金)14:30
○場所 かでる2・7 5階 510会議室
○有識者 
・北大観光学高等研究センターセンター 長 西山徳明氏
・北大公共政策大学院特任教授 石井吉春氏
(札幌大学教授本田優子氏については、欠席のため事務局から事前にいただいたご意見を代読)
 

【文化振興課長】

お忙しい中、第2回検討会議にご出席いただき感謝します。開会にあたり、本会議の座長である環境生活部長から挨拶申し上げます。
 

【環境生活部長】

本日は、「第2回ほっかいどう歴史・文化・自然「体感」交流空間構想検討会議」にご出席いただき、厚くお礼申し上げます。
 
前回も申し上げましたが、現在、道では、年内を目途に百年記念施設とその周辺地域を含めたエリア全体を対象とした再生に向けた構想をとりまとめるため、本年4月以降、「考え方」を基に、道民の幅広いご意見を伺うため、道民を対象としたワークショップをはじめ、専門家からの意見聴取や、大学への出前講座などに取り組んでおり、その結果、数多くの貴重なご意見をいただいているところです。
 
本日の第2回検討会議では、今後は、これらの意見を基に、再生構想を具体的に作成していくことになるため、再生構想の柱となる構成案をお示しし、さらに、今後、その内容を検討するにあたり、百年記念施設等の今後のおり方について、本日お越しいただいた有識者の方々に、それぞれの専門的な立場から貴重なご意見を伺うこととしております。本日は、よろしくお願いします。
 

【文化振興課長】

次に(1)再生構想(構成案)について、事務局から説明いたします。

 
【文化振興課主幹】

それでは、再生構想の構成案について、【資料1】により説明させていただきます。
 
まず、この再生構想の趣旨ですが、お手元の資料2にございます、昨年11月にとりまとめました「百年記念施設の継承と活用に関する考え方」にある「4 今後の検討の進め方」について、「この考え方を基に、様々な機会を通じて幅広く意見も伺いながら、議論をさらに深め、北海道150年の節目となる平成30年までに再生に向けた構想を取りまとめる。」とあり、これを受けて策定をめざすものです。
 
そして【資料1】に戻りまして、先ず正式な名称については、「ほっかいどう歴史・文化・自然「体感」交流空問構想」(略称を再生構想)とします。
 
次に、項目と内容についてですが、全体を6部構成としております。1 先ず、「①はじめに」では、施設及び周辺地域における現状や課題(構想策定の必要性)等について記載します。
 
次に「②基本コンセプト」では、このエリアが目指す姿を「学ぶ」「触れる」「集う」「つながる」のキーワードにより表現します。
 
次は、「③施設毎の今後の方向性等」では、「北海道博物館」「開拓の村」「百年記念塔及び塔前広場」「野幌森林公園」、さらに「近隣施設との連携」の5区分とし、それぞれについて「①50年後の姿」「②今後の方向性」「③具体的な取組」について記載します。
 
次の「④50年後の道民に引き継ぐ思い」では、50年後の道民に向けたメッセージを、専門家の方に依頼して創作いただこうと考えています。
 
次の「⑤イメージ図」では、この再生構想が実現した段階でのイメージ図を作成し、ここに添付することを考えております。
 
最後に、その他「⑥参考資料」として、上記の具体的な取組に係る実施工程表や、本文中の用語に係る裏付けデータや注釈、その他参考となる内容について記載することを考えております。
 
以上で、再生構想の構成案について説明させていただきました。
 

【文化振興課長】

以上の説明について質問等があればお願いします。
 

【文化振興課長】

次に、百年記念施設に関して有識者からの意見聴取を行います。
 
本日、お越しいただいている有識者の方々をご紹介します。北海道大学観光学高等研究センター長の西山先生です。北海道大学公共政策大学院特任教授の石井先生です。それから、札幌大学副学長の本田先生におかれましては、本日欠席との連絡を受けておりまして、別途ご意見を文書でいただいております。
 
それでは、先ず、西山先生から、よろしくお願いします。
 

【石井吉春氏】

ただいまご紹介いただきました北大公共政策大学院の石井でございます。公共政策の立場からということでございますけれど、あまり歴史文化は得意ではないというかむしろ苦手なぐらいなものですから、このところ手がけている一つのテーマということで公共施設のマネージメントといいますか、端的に言うと公共施設の維持更新問題というところで、持続的なランディングをさせるかというテーマ。大きなテーマの一つとして取り組んでいるものですから、そういう観点を中心に百年記念施設の在り方ということで、少し思うところをお話しさせていただきます。
 

(1996文字省略)

 
今回百年記念施設ということでありまして、ちょうど北海道命名150年事業というのが取り組まれておりますけれど、現状さまざまな状況を踏まえますと、何かをつくるということに依拠しない、どちらかというとソフトな事業で150年を記念していく流れがすでにあるのかなというふうに私自身は認知しているところで、百年記念施設、施設ということでそれぞれ必要なものを残していくというのは、議論はあると思いますけれども、いずれにしてもソフトをどうするかということを中心にぜひ議論をしていただく必要があるのではないかと思います。
 
百年記念塔の問題を特記して書いてございますが、すごく変な言い方をあえてするのですが、元々でいうと長く残るというメモリアルということでつくられたと聞いていますけれども、想定自体が外れて50年経過した中で非常に危険な施設ということで立入が禁止されていると伺っておりますけれども、その意味で言うと本来であれば、施設を建設するときに担保されなければいけなかった耐久性というのは、ある意味で結果責任という意味では充分検討されなかった。
 
そのことが問題といえば確かに問題だと私は思いますけど、逆にその現状を踏まえたらそういうものについて、ある意味では将来世代への負担で維持していく方針についてはなかなかそういうふうに整理するのは難しいのではないかと。
 
公共施設全般の問題ではありますが将来世代にどこまで負担をということについては、かなり厳しい意識を持だなくては本当に将来世代がここで倒れてしまうという問題がおこるという。施設の意義なり必要性というのは当然さまざまな議論をしていただいて、方向性を決めていただくということにはなると思っておりますけど、公共施設という側面から考えると以上のような見方も参考にしていただければなということで私の話を終わります。
 
 

【文化振興課長】

今のお話でご確認したい点とかはございますでしょうか。なければ、次に西山先生お願いいたします。
 

【西山徳明氏】

資料は北海道開拓の村というタイトルがついておりますけど、その前に今日の会議の趣旨から全体的な話、百年記念塔の話を含めた話しをさせていただきたい。
 
私は石井先生のお話とは全く違って、観光ということ、専門性で参加していますが、初めての方も多いので、私は元々は建築の都市計画が専門で30年来の研究のテーマは歴史的環境の保全といいますか、集落景観の保存とか建築の保存とか世界遺産とか文化財というかもっと広く文化遺産を地域とかまちづくりにどう活かしていくのか、あるいは観光と結びつけて、観光からの収入と文化財のマネージメントをどのように展開していくのかというのを長年研究しておりまして、メインの研究フィールドは沖縄県の竹富島とか岐阜県の世界遺産の白川郷とかああいうところで人が住んでいる遺産をどう守るか、観光地としてどうなりたたせていくか、というか、観光で資源がだめになってしまわないような観光マネージメントみたいなことを得意としてやってきています。
 
それで、今回百年記念施設に関しては主に博物館と開拓の村が一見セットですが、コンテンツが違うというか状況が違うので全く一緒には扱えないということで、基本的な考え方は今石井先生か整理していただいたとおりだと思います。北海道博物館の方はリニューアルがなったばかりで、本当にいい形で企画展示も成功されているとお聞きしていますので、あまり我々が考える必要は無いのかと思います。
 
一方で記念塔はまさに今テレビ放送でも扱われておりますし、一方で開拓の村は逆の意味で忘れ去られつつあるというか、きちんとした注目を集めないままになかなか難しい状況にあるのではないかと。この3つには三様の状況かおるのではないかと。
 
ですから最初に記念塔の話を短く話をさせていただいて、私の一番重要だと考えている開拓の村の話を最後にさせていただきます。
 
記念塔に関しましては、考える材料として例えば万博の太陽の塔が最近文化財に登録された、それから札幌の時計台やテレビ塔。テレビ塔を設計した設計者が実は東京タワーとか名古屋タワーを設計しているわけですけど、札幌のテレビ塔を除けば登録文化財として文化財に登録されている。
 
何が言いたいかというと私は札幌市の景観の審議委員をしているのですが、札幌市ではテレビ塔の扱いに対して、次は何色に塗ろうかという議論をしている。要するに文化財として扱うのではなく、都市のシンボルとしてみんなから愛されているから、今後もどう使いこなしていこうかという。
 
都市によってモニュメントとしての建物の扱いがこんなに違うのだなということを、私自身は8年前に札幌にきて元々福岡の人間ですから、ある意味私はよそ者という視点があることをお許しください。そういう目で見たときに、地元の方、道民、札幌の方の口癖としては歴史がないと言われます。
 
でもたぶん50年以上前から歴史がないと言われて50年たっても同じことを言っているということは、いつ5までたっても歴史は積み重ならないということになりますから、いつから歴史をスタートさせますかと逆にちょっと皮肉を入れた言い方で失礼ですけど、アメリカは200年ちょっとでそんなに変わらないけど一生懸命自分たちの歴史を何とか形にしたい、ヨーロッパに対するコンプレックスの中でがんばっているところ。
 
私はアメリカ的な気質を北海道に期待して感じているところもあるのですが、ちょっと具体的な個別の部分になると少し扱いが冷たいのかなというふうに感じました。
 
記念塔に関しては私自身の思い入れがあるものでもないですけど今言ったような文脈で見たときに、今回仮に壊すと、テレビ塔とかも減価償却というか寿命がきたものとやっていくのかなと。それともテレビ塔は残そうと言われるのか、記念塔は何故壊していい、テレビ塔は何故残すのか、そんな議論が全くなされないままにコストの問題で維持費の問題で壊されるのだとしたら、もうちょっと議論した方がいいのではないですか。
 
という全く外野的なものの見方として、あるいは札幌なり北海道が今後どう歴史を刻んでいくのかということに関して少しそこの評価、50年前に何故あの記念塔を建てたのか、どんな思いを込めて建てたのか、そのときの建立の意図は達成されたのか、そういう検証がなされないままにただコストの問題で壊すのだとしたら、それは文化や歴史が積み重ならないということをまた目の前にしてしまうのかなということを思ったというのが、前の記念施設の懇談会等で発言したり最近テレビの取材でも言いました。
 
どうすべきと言うよりは、一度考えてほしいと。皆さんで一度考えて、やっぱり壊そうというのも別にそれでいいと思うし、ただそのときに記念塔一つだけを対象にするのではなくその周辺にあるオリンピックの記念施設とか、いろんなちょうど50年前後のまさに札幌なり北海道の歴史を物語る公共的な施設が寿命を迎えつつある中で、こういう歴史をどう振り返るかについての議論なしでは、ちょっともったいないのではないかということでそれ以上でもそれ以下でもございません。
 
私の方で本日せっかくこういう席をいただいたので、残りの時間でぜひ訴えたいことがあります。それは、北海道開拓の村を見殺しって言ったら博物館の方とかに失礼ですけど、助けてやってくれというふうに思います。
 

(3026文字省略)

 
もう一度ポイントだけいいますと民間活力の導入なのですが、例えば札幌市内、道内のさまざまな民間事業者である程度ブランドカを持っておられるお菓子とか、お酒とか、飲食、レストランなどいろんな民間事業者がいると思うのですが、そういうところが開拓の村に自分がオーナーとなって家を一軒一軒借りる、テナントとして借りてそこで彼らの資金力でそれなりに手入れをきちんとして、インフラを引いたりするガスとかは道の方でということはあるかもしれませんが、基本的には民間の資金を使いながら周辺に住んでおられる方や希望があれば道民の方々のいろんな形のボランティア等の参画を受けながら、この施設を北海道独特のしかも北海道に行ったら絶対あそこに行かなくてはならないと思うような施設にリニューアルして。
 
そのためには少し現時点での行政丸抱え的なそうせざるを得ない経営の体質から少し発想を切り替えて、民間に競って開拓の村を魅力的な街にさせるような協同関係を構築するというようなことを考えてみたらいかがでしょうかと思っておりますし、私ども観光学高等研究センターは、地域のポテンシャルかおりながら充分活かされていないといったら失礼になるかもしれませんが、そういうものをより輝かせるのか、より地域の人たちのものにしていくかということについて少しお手伝いできればいいかなと思って発言させてもらいました。
 

【文化振興課長】

質問なのですが、歴史的な建造物が一つ魅力だということなんですけど、矛盾しないのかなと、本物だからこそ良さがあるでしょうし、今の先生のお話だと当時のまま忠実に残すことではなくて、活用しながら保存していくんだという主旨でしょうか。
 

【西山徳明氏】

例えば、昔の床屋さんが保存されていますけど、ああいうところで最先端というか、カリスマ美容師でもいいですけど理容協会みたいなところがあると思うのですが、そういうところで店を出して、イベント的でもいいのですが、床屋さんであったということを昔の床屋の空間を上手に使いながら、現代的に非常に魅力的に理容のサービスを提供していってPRするとか。お菓子屋さんとか。建物そのものの文化財的価値を守りながら活用するというこのノウハウに関してはいろいろな団体があります。
 
重要文化財を完璧に整備して保存する団体から伝承地区のように外観はきちんとして中はリニューアルというかある程度住み換えがいいようにしていく大きな幅がある中でこの建物はどれくらいの活用が可能か、本質、本来の価値を失わせずに活用するのは専門家がきちんと立ち会ってやっていくことが私はできると思うので、むしろそういう価値がわかる専門家がその空間をより魅力的に見せるためには、単に展示をしたり、解説板をおくだけでなく、使いこなしてみせる。
 
それを昔の服を着た大が昔の遊びをする演技をするのもいいかもしれないけど、そうじやないやり方、経済的なそこでこういう建物で育まれた北海道のさまざま産業や文化というのを今日どう北海道で最先端として展開していってそれをコラボレーションとして建物の中で展開していくとそういうようなことができるのではないかなと。
 
京町屋再生とかいろいろな古い建物で新しいコラボレーションがありますが、ただ単にハコとしてこういう古いところでやればかっこいいよねという低いレベルではなくて、その建物の本来持っている価値をきちんと評価してその機能をより経済化させたり、昔と今のギャップみたいなものをしっかりと見せることで昔の人の暮らしを理解したり、現在のそこから展開してきた北海道の今の価値を宣伝するとそんなことができるのかなと。例えば、開拓史の施設がコンクリートで再現されているようなものも、場合によっては宿泊施設として使うとかいろいろな使い方かおる。
 
レストランなんかにも、いろいろな使い方があるかもしれない。ただ、一方的に我々が旗を振っても地元の民間の方がビジネスチャンスというか魅力を感じなければだめですから用意周到というか十分な戦略が必要だとは思います。
 

【文化振興課長】

外側中身含めて、きちんと残さないと行けない建物もあるし、場合によっては中がレストランとか、ある程度大規模にいじった上で活用していくということも含めて、開拓の村を具体的にというご提案と受け止めます。
 
開拓の村をつくったときの形をこのまま50年維持していくということは、先生から見ても無理ではないのかと。役所が維持していくのは当然無理だから、役所にお金がないのであれば、民間とのWinWinの関係をつくっていくのであれば、ある程度活用できる建物については民間のお金とノウハウで活用していくことで保存していけないかというご提案ということで受け止めてよろしいでしょうか。
 
民間資金の活力についてのお話は、石井先生もお好きな分野だと思いますので、何かコメントをいただけないでしょうか。
 

【石井吉春氏】

残すとしたら、今、西山先生が仰ったように、残すチャレンジをするとしたら、やっぱり民間とどう連携するかということが重要だと思うんですね。文化的価値を逆に行政がどう認識して全面的に残す施設はこれで、中身をいくら変えてもいいよというのがこれで、その位置づけを民間にやらせてはもちろんだめで、行政がきちんとやっていただいてそれを前提にさまざまな利用の提案を受けるみたいな実施法っていうのは一般的にも可能だし、そういうことであれば、観光施設として相当プラスの集客力をつけることができると考える事業者が私もいるのではないかと思います。
 
ましてインバウンドをどうするのかということに関してはプラス要因としてどう引き込めるかもありますから、むしろ全体の骨格を行政がちゃんと押さえて、はやめに下ごしらえとしてはいろいろあたっていただいて、感触を得たら公開的に中の公募というようなことに持って行けば結構出ますよね。私もそう思います。そういうステップをやって全然だめなら次をお考えいただいたらよいので、そういうことをぜひ取り組まれたほうが、あのエリアがより発展的に残っていく可能性があると私もお話を伺って率直に思います。
 

【西山徳明氏】

ついでに、総務課の方っておられますか。もう一つは赤れんがのリニューアルオープンということでこれも基本的なリニューアル構想ができた段階でまだこれからいろいろな可能性があると思うのですけど、いずれにしても今の赤れんが庁舎はそのものはとっても魅力的で、常に60万、70万の方が見て感動して帰っている。
 
しかし実際には入れる部屋が半分もないということで、北海道はこういう中で歴史を、北海道の歴史を日本史の中で、日本遺産という文化庁の事業がありますけど、オリンピックまで100選ぶといっていますが、そのうち日本史の中で北海道で語らなくてはならないのは最低でも7つくらいのストーリーが10あると私は思っている。
 
面積でいっから4分の1、25くらいあってもいいかもしれないけど、そこまでは欲張らないにしても確実に北海道から発信すべき歴史、縄文から先史時代から近代、産業遺産など入れていくと7つくらいあるだろうと、そういうふうな日本人が日本を知る上で北海道は欠くべがらざるものである。
 
単に雄大な自然、おいしい食べ物だけでなく、北海道に行って京都や奈良で学ぶように北海道べき歴史や文化があるということをし始めなければならない、できるタイミングにきている。
 
赤れんががリニューアルされるというのはすごくいいし、札幌市の施設ですけどロープウェイが数年前にオープンしましたし、札幌の事業ですけど新札幌にゲートウェイというか再開発が行われ、そうするとこの百年施設のエリアも今よりは遠く感じなくなるというか、国内外に強い情報発信をしていけば、札幌周辺の観光導線をかなり変えていけるのではないかなと思っております。
 
ですから、赤れんがだって、今は6、70万人入っていますけど、私は200万人ぐらいはいる施設としてリニューアルした方がいいと思うんですね。そこで情報を得たらかなりの割合の人が開拓の村に行って、それをするだけでさらに興味のある人が豊平館だとか時計台だとか、今だと最初に時計台にいってがっかりして帰る。そういう新しい導線を道が主導でつくっていくのは可能じやないかと思いますし、うまくやってもらいたいと思います。
 
北海道観光の新しいテーマをつくり出すというようなことの一番核となるのが開拓の村なのかな。少し話を戻すと百年記念塔もそういうシナリオの中で最も新しい道民の歴史のシンボルと見なすのかどうかという。その辺をそういう大きなプランの中で説明するのは難しいですが、記念塔はどういうふうに位置づけるのかなと興味深く思っている。
 

【文化振興課長】

もうひとかた本田先生から書面で意見の提出がございましたので、事務局の方で読み上げさせていただきます。
 

【文化振興課主査】

事務局から本田先生からお預かりしております書面の方を代読させていただきます。
 

一、エリア全体について、広大な森に囲まれ、非常に素晴らしい環境にあると思います。森林の活用方法をもう少し考えると良いのではないでしょうか。
 
二、北海道博物館について(197文字省略)
 
三、開拓の村について(243文字省略)
 
なお昨年、平成29年8月8日付け北海道新聞夕刊の「魚眼図」というコーナーにおいて、開拓の村の施設にはチセ、アイヌ家屋が存在しない点について問題提起をおこないました。そこには書きませんでしたが、道内の多くの自治体がチセ、屋外での復元施設によるアイヌ文化理解を促進しているにも関わらず、北海道は一棟もチセを有していません。
 
四、百年記念塔について、これについても参考資料として6月18日付けの北海道新聞記事を配布し、学生の意見を聞きました。その結果、①壊したのち跡地にはなにもつくらないが7名、②人が入れるように修復し、廃墟ツアーでインバウンドを取り込むなど新しい試みを模索するが2名、③大幅にダウンサイジングしても良いから記念として残すが1名、④撤去した跡地にアイヌ文化の学習施設など、民族共生の施設を作るが1名、でした。私自身は①に賛成です。
 
以上でございます。

 

【文化振興課長】

補足ですが、チセは屋外にはないのですが北海道博物館の中に屋内展示ではございますけどチセを有しております。一応情報提供まででした。
 
本日3名の先生方からいろいろな角度からお話を伺ったところではございますけど、最後、せっかくの機会ですから先生にお聞きしたいとかございますか。
 
なければ本日はこれを持って閉会としたいと思います。本日は西山先生、石井先生ありがとうございました。
 
 

 


 

「出席者名簿」

(道庁公開資料)
 
 

「議事概要」

(道庁公開資料)
 
 

「資料」

(道庁公開資料)
 
 

「資料」

(道庁公開資料)
 
【石井氏資料】
(道庁公開資料)
【石井氏資料】
(道庁公開資料)
【西山氏資料】
(道庁公開資料)
【西山氏資料】
(道庁公開資料)
【西山氏資料】
(道庁公開資料)
 
以下参考資料6p省略

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