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北海道百年記念塔を守る会 事務局
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「ほっかいどう歴史・文化・自然「体感」交流空間構想検討会議」の第1回会議は、これまでの経緯と今後の検討の仕方を述べたあと、一般社団法人地域研究工房代表理事の小磯修二氏の講話を聞くことで終わりました。
○日時 平成30年5月31日(木)13:300
○場所 かでる2・7 7階 730会議室
○有識者 小磯修二氏(一般社団法人地域研究工房代表理事)
それでは、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。検討会議の開会にあたりまして、本会議の座長である環境生活部長からご挨拶申し上げます。
環境生活部長でございます。今日は、第1回目の「ほっかいどう歴史・文化・自然「体感」交流空間構想検討会議」にご出席いただきまして、厚くお礼申し上げます。
百年記念施設といいますのは、昭和40年代、北海道百年記念事業の一環として、整備、或いは計画が進められた博物館、開拓の村、記念塔の総称でございまして、これらの施設は、これまで長きにわたって、道民の皆様に親しまれ、多くの人々に利用されてきたところでございますけれども、約50年が経過したこともございまして、施設の老朽化ですとか、利用者の減少などですとか、様々な課題が生じているところでございます。
今年は、ご存知のとおり、「北海道」と命名されてから150年の節目に当たるということもございまして、道におきましては、これらの貴重な施設を今後、50年、100年後という次の世代にどのような形で引き継いでいくかということにつきまして、有識者の意見を伺いながら、昨年11月に、今後の議論の方向性を示します考え方を取りまとめたところでございます。
今年度は、この考え方をもとに、道民の幅広いご意見を伺うため、道民の方々を対象としたワークショップ、或いは専門官やヒアリング、大学への出前講座などといったものを実施しているところでございまして、年内をめどに、百年記念施設とその周辺、地域を含めました、エリア全体を対象とした、再生に向けた構想を取りまとめるということとしているところでございます。
本検討会議は、この再生構想を取りまとめるために、関係する分野の課長クラスで構成する会議でございまして、皆さんには、それぞれの立場から、積極的な参画をお願いしたいというふうに考えております。本日は第1回目ということでございまして、これまでの経過ですね、今後のスケジュールを説明した上で、一般社団法人地域研究工房の代表理事であらせられます、小磯先生から、「北海道の経験を未来につなげるために」ということをテーマにして、地域政策の立場から、ご講演をいただけるということになってございますので、本日ご出席されていらっしやる方は、ぜひお聞きいただいて、再生構想の検討のみならず、今後の行政運営の参考にしていただければというふうに考えているところでございます。
本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。
それでは早速議事に入ります。(1)これまでの経緯、(2)今年度の取組、(3)今後のスケジュールについて、一括して事務局から説明いたします。
それでは説明させていただきます。
お手元の「資料」(下段参照)と書かれたものをご覧いただきたいと思います。百年記念施設にかかる今後のおり方の検討につきましては、平成28年9月に文化観光公共政策等の有識者7名の方で構成する懇談会をいたしまして、以降、昨年の10月まで現地視察を含む5回開催いたしまして、施設等の現状や課題、今後の方向性について、様々な意見をいただいてきたところでございます。
この懇談会におかれます主な意見といたしましては、もう1枚の「考え方の概要」という資料の下の方の四角に書いてあるのですが、主な意見といたしましては、エリア全体としては、個々の施設をとらえるのではなく、野幌森林公園全体を一つのエリアとしてとらえ、全体的な視野で議論を進めるべきであるとか、北海道博物館につきましては、平成27年にリニューアルして、利用者は増加しているのですが、今後もさらなる魅力向上が必要であるとか、また、開拓の村につきましては、施設に係る修繕改修の方法につきまして、外部資金や民間活力等の導入を検討すべきである、また、百年記念施設につきましては、その安全性や将来負担、周辺地域、施設の関連など、様々な観点から別に検討が必要など、様々な分野からのご意見があったところでございます。
そして道では、この懇談会でのご意見を踏まえまして、道議会の議論もいただきまして、平成29年11月に、今後の議論の方向性を示す、百年記念施設の継承と活用に関する考え方を取りまとめたところでございます。この中では、先ほどの概要の一番下に書いておりますけれども、この考え方を基に様々な機会を通じて幅広く意見も伺いながら、議論をさらに深め、北海道150年の節目となる平成30年までに再生に向けた構想を取りまとめるとしているところでございます。
これを受けまして、今年度の取組でございますが、資料の点線以下でございますけれども、この再生構想を取りまとめるためには、まず道民の方の幅広い意見を聞く必要があるということから、その下の段に三つの枠がございますが、一つ目に道民ワークショップの開催、それから左の方に行きまして、専門家による個別ヒアリング、さらに右側の意見公募等に取り組んでいるところでございます。
具体的には、道民ワークショップにつきましては、先日、5月19日、20日に北海道博物館におきまして、2日間で合わせて80名の方を対象に、今後の議論をいただきまして様々な意見をいただいたところでございます。
また今後、6月10日には北海学園でのワークショップも検討しているところでございます。二つ目の専門家による個別ヒアリングにつきましては、古民家再生でありますとか、障害者の目線から見る建築家の方とか、金融の方とか、様々な専門家の方から貴重なご意見をいただいております。
最後に意見公募につきましては、北海道博物館、開拓の村、自然ふれあい交流館の各施設に、一般道民と小中学生を対象といたしましたアンケートを実施しております。さらに、北大や札幌学院大学への出前講座も行っているところでございます。さらに今後は、札幌市及び周辺地域以外の地方の道民の方の意見も闘くことも検討しているところでございます。
今後のスケジュールについてでありますが、道としましては、これらいただいた意見を踏まえまして、再生構想をまとめていくため、庁内各課で構成するこの会議を設置させていただいたところでございますが、具体的な検討は主幹クラスで構成するワーキンググループで行うこととしております。そして、その先ですね、再生構想素案を取りまとめたと、道議会環境生活委員会への報告やパブリックコメントを行いまして、年内をめどに再生構想を策定したいと考えてございます。以上でございます。
ただいまの説明につきまして、質問、ご意見等があればよろしくお願いいたします。
今日は第1回目ということで、今後、素案作りに取り組んでいくということで、皆様方のご協力のほど、よろしくお願いしたいと思います。
それでは次に、今日お越しいただいております小磯先生の方からご講演をいただきたいと考えております。小磯先生につきましては改めてご紹介するまでもなく、これまでも道政の推進にあたりまして、要所要所で貴重なご助言をいただいているところでございます。釧路公立大学の学長をお勤めの後、北大の公共政策大学院の教授などをご歴任されております。本日午前中も北海道創生協議会の会合で委員などをお務めになられたほか、著作も数多くございます。
今後再生構想の具体的な検討を着手するに当たりまして、これまでの北海道の行政の歩みについて、改めて振り返ってみるということも必要かと思いまして、今回、小磯先生にお願いをしており、その講演を企画させていただいたところでございます。それでは小磯先生の方からよろしくお願いいたします。
ただいまご紹介にあがりました小磯でございます。本日は検討会議の第1回ということで、最初に私をお招きいただきまして、どういうお話をすればいいのか迷いながら来たのですが、会場へ入ると大変緊張感あふれた雰囲気なので、そういう検討の具体的な中身というよりは、私自身のこれまでの経験、そこで私なりに、皆様方が検討というものを今後されていく中で、少しでもお役に立つお話ができればいいかなということを考えながら、いただいた時間の中でお話を進めていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。(レジメ・配付資料下段)
いただいた百年記念塔の資料を、先ほど改めて読んでおりましたが、百年記念塔のコンセプトの中に、「天をついて限りなく伸びる」という表現がありました。私これだなというふうに思いますね。当時はまさに、天をついて限りなく成長していくという、そういう時代に俺達は北海道に関わる政策で何をすべきか、素晴らしい心意気で仕事をされていた時代なんでしょうね。
ところが、問題はその後限界があるということ。有限性ということを認識されて、色々な意味で政策に節度というものがはめられるようになった。ただ、それとともに夢への挑戦という、そういう部分が実はいつの間にか。その後バブルです。一度また改めてバブルでそういう部分が蘇ったかに思えたんですが、急にバブルの崩壊で失われてしまったという。
そういう中で冷静に、50年前の政策理念というものを今日まで継承させていくような、そういう形で見つめ直すという機会が無いまま今日に至っているという、そういう部分があるんじやないかなということをちょっと個人的に感じております。
それでちょっと限られた時間を過ぎてしまいました。最後に、4のところだけお話をしたいと思います。
私自身も、今日も資料で、レポートのコピーを差し上げておりますけれども、これまで私自身がやってきたことを、後輩の皆さん方に色々な形でお伝えしていこうということで、色々書いたり、お話をさせていただいたりしておりますけれども、実は7月、再来月になりますけれども、岩波書店から『地方創生を超えて』ということで、北大の研究者と一緒に出版をするというのが、最終局面にきております。
そういう中でいろんな若い研究者もいますし、その中で私自身が今日ここでお話をしてきた歴史的文脈、ここを大切にした中で、地域政策を改めて見つめ直そうということで今書いておりまして、機会があれば読んでいただければと思うんですけども、その中で、これからもやっぱりこの地域政策のパラダイムの転換ということで、三つの視点をお話しております。
一つが「民と官」、二つ目が「国と自治体」、三番目が「大都市と地方」。特に三番目の「大都市と地方」という面では少し分析をしているんですけれども、今着実に東京首都圏、大都市圏と地方の格差は拡大してきています。今やもう東京オリンピックにその関心が集まり、始まっては国土政策のような格差問題はないような議論があるんですけれども、今着実に地方と大都市圏との格差は開いている、実は北海道の中もそうです。札幌圏と地方圏との格差は着実に拡大しています。
そのいびつな地域構造になりつつある、そういう中で地域政策とどう向き合うかという議論をしておりますが、そのヒントが歴史的な政策を振り返ることで中にあるのではないかなというのがこの趣旨だった訳ですから、といったところでお読みいただければというところを最後にご紹介して、一応私からのお話を終わりたいと思います。どうも熱心にお話を聞いていただきありがとうございました。
先生ありがとうございました。今日は折角の機会ですので、我々の検討委員会のメンバーだけではなくて、今年入った道庁の若手職員もお声がけをして、貴重なお話を伺う場とさせていただきました。折角の機会ですので、何かご質問があればお受けしますけども。よろしいでしょうか。
普段道庁はいつも怒られていますけれど、これだけ北海道を褒められると悪い気がしないですよね。これだけ今まで、この北海道の短期間で、ここまで築き上げてきたという大きい歴史を持っている中で、我々もその先輩方の意思を引き継いで道庁マンとして色々な課題に向き合っていかなければいけないのかなということで、若手にメッセージをいただければと思います。
ここで私に個別の質問というのはなかなか難しいかと思うので、あえてメッセージを送れば、今私が申し上げた北海道の魅力、醍醐味を創り上げてきた部分が政策だということです。それは単なるアイディアや思いつきでできたものではなくて、そこに深い背景もあり、ただ少なくともそれを提起していくためには、それまでの政策の歴史なり、検証というものをしっかりした上で試行していくという、そういう政策マンとしての最低限のマナーでもあるんじやないかなと思います。
私も北海道庁の方と色々何十年もお付き合いをしてきましたけれども、一番皆さん方にとって辛いのは、財政の論理というのが常に働いてきて、財政というのは単年度予算です。最低限、最悪の場合だと1年で結果を出せという、そういう議論に向き合いながら、一歩でも私のような話を間くと、やっぱりなかなか難しいというのはよく分かった上なんですけれども、どこかで、片隅でも結構ですけれども、こういう政策の歴史があるというところ、そこをしっかり学んで欲しいと思いますし
それから今の時代、今、森友加計問題とかいろいろ騒がれていますけれども、逆に昔に比べれば、その国家戦略特区とか、逆に言うと地方が頑張れば色々なことがやれるという時代にも少しずつなってきている訳で、やらないこと、作為ということも言われる時代になってきていて、折角若い時に政策に関わって、北海道庁に入ってきている訳で、乱暴でも良いから色々な意見なり、色々な考え方をぶつけていくという、そういう心がけ、マインドを持って欲しいなというふうに思います。
ありがとうございました。それでは皆様最後に先生に拍手をさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
それでは予定の時間となりましたので本日の検討会議はこれをもちまして終了させていただきます。本日はどうもありがとうございました。
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