1968年 北海道百年
記念祝典編 ③ 天皇陛下のおことば
「北海道百年祝典」の最後は式典のしめくくりにくだされた 天皇陛下のおことば を紹介します。多言は要しないでしょう。陛下の言葉をじっくりかみしめてもらえれば幸いです。祝典に続いて2000人によるマスゲームが華やかに繰り広げられました。
天皇陛下
の
おことば
本日、北海道百年記念祝典に臨み、親しく道民諸君と会することは、まことに喜びにたえません。
北海道に開拓の業が興されていらい、ここに百年、進取の気風と不屈の精神をもって今日の繁栄をきずき上げてきた人びとの努力は深く多とするところであります。
北海道はきびしい気候風土のもとにありますが、美しい自然と多くの資源に恵まれ、将来さらに大きな発展を期待することができると思います。
今後とも、道民一同がたくましい開拓者精神をうけつぎ、一致協力して北海道の開発を推進し、国運の進展に寄与するよう、せつに希望します。
[1]
おことばに対するお礼言上
北海道知事 町村金五
ただいまは、天皇陛下からまことにありがたいおことばを賜わりまして、北海道民一同感激にたえません。
わたくしたち道民はおぼしめしを体しまして、北海道の開発にいっそう努力を重ねてまいる覚悟でございます。謹んで御礼申しあげます。
ここに天皇陛下・皇后陛下のご健勝をおよろこび申しあげ、みなさまとともに万歳を三唱いたしたいと存じます。
天皇陛下 皇后陛下 万歳 万歳 万歳
このとき2500羽のハトが空高く舞い上がり、600人の吹奏楽隊が「北海道賛歌」を奏し、高校生1000人の大合唱が会場をつつんで森へ山へと美しくこだましていった。
朝のひかり はるかなる海を照らし
きらめく波 北国の岸を洗う
嶺は天を指して 太古の歌をうたい
森は 風を抱いて みどりの雲を巻く
美わしき国
ゆたけき国
おおわが北海道
三枝副知事の閉式のことばに続くファンファーレ、80発の花火をもって式典は終わった。この間わずか20分の簡素な式典──。しかし、風雪の百年と耀く未来との歴史の接点に立つ道民が老いも若きも新たな決意を誓い合った感撤のひと時であった。[2]
※伝書鳩は、北海道に多数の移民を送りだした青森、秋田、岩手、山県、宮城、福島、石川、島根、本州9県の知事のメッセージを携えていました。以下、その一つ富山県知事のメッセージです。
北海道百年という耀かしい年を迎えられ、心から敬意を表するとともに、よろこびにたえません。
『えぞ地』と呼ばれた時代から今日の躍進北海道に発展したかげには、未間の大地にいどんだ父祖先人の血のにじむ苦闘があり、その偉大な業績は日本国民全体としても忘れることはできません。
日本の青春・北海道、そして雄大な潜在力に富む北海道──ことに江戸時代から北海道と人文・経済の交流が深い本県としまして、この百年のあゆみがあすの北海道、21世紀の北海道を築く大きな糧となりますよう祈念申しあげ、この歴史的に意義深い日を心からおよろこび申しあげます。[3]
■祝典行事/集団演技
祝典の後、会場では祝祭行事としてマスゲームが行われ、祝典に花を添えました。
民謡踊り「郷土の香り」
リズム遊戯「200 年へのかけ橋」
組み体操「風雪百年」
集団バレー「耀く未来」
音楽フィナーレ「躍進北海道」
【引用出典】
[1][2]北海道百年記念施設建設事務所「北海道百年記念事業の記録」1969・26〜27p
[3]北海道百年記念施設建設事務所「北海道百年記念事業の記録」1969・39p
【写真出典】
①③④⑤⑥⑦⑨⑩⑪北海道百年記念施設建設事務所『北海道百年記念事業の記録』1969・26〜27pp
②⑧『グラフ北海道1968』1968/9/10・北海道新聞社
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