Hokkaido Centennial Memorial Tower Fun
 

平成30年第3回定例会 本会議(9月27日)
菅原和忠議員 民主・道民連合(札幌厚別区)

 

過程がアリバイ的で
解体との結論をイメージすることができません

 

■結論に至る経緯がアリバイ的ではないか?

【菅原和忠】──次に、百年記念塔について伺います。先日、道立野幌自然公園内にある北海道博物館、北海道開拓の村、百年記念塔の今後のあり方についての基本構想である、ほっかいどう歴史・文化・自然「体感」交流空間構想の素案が示されました。今回、素案を読んでみましたが、特に、百年記念塔の解体や解体もやむなしとの結論に至る経過については、すっきりした気持ちにはなれません。
 
さまざまな協議会やワークショップ、アンケートなどが行われ、導き出された結論ではあるわけですが、資料を見せていただく限り、さまざまな意見やアンケート結果が、即、解体の結論になることには納得がいきません。確かに、費用の問題や安全性などを考えると、いたし方ないとも思っていましたが、1年以上にわたって協議を行った結果が予想どおりでは、アリバイ的とも思われます。
以下の議事録を読まれるときの参考として北海道百年記念塔解体を決めた経緯です。

平成27年9月議会で道は「補修に取り組んでいく」と答えていますが、平成30年12月の「ほっかいどう歴史・文化・自然『体感』交流空間構想」で「解体」となりました。
 
さまざまなアンケートもとられていたようですが、大学生に対するアンケートの結果では、「存続」が38%に対して、「解体もやむをえない」が48%となっているとしながら、この結果については、大学生は、ふだん訪れることもないことから、なじみも薄く、さらに、多額の将来負担を考慮すると、解体との回答が多くなっているものと認識しているとのことでした。
 
他のアンケート結果については、施設利用者では、「存続」が59%、「解体もやむをえない」が17%、一般社会人では、「存続」が32%、「解体もやむをえない」が36%となっていて、これらの数字が解体との結論に結びつくとも思えません。
 
また、さまざまな意見も掲載されていますが、両論併記のせいか、意見を見る限り、解体との結論をイメージすることができません。
 
解体の理由は、安全確保や将来世代への負担軽減等の観点としていますが、道民の協力も得ながら建設された経過をしっかりと受けとめ、さまざまな課題を抱えながら維持していくという考えも重要ではないかと考えます。百年記念塔は解体との結論に至った理由について、改めて所見をお伺いいたします。
 

■塔の大きさに改めて感動を覚えた

次に、解体後の対応について伺います。先日の連休中に、改めて百年記念塔と開拓の村に行ってきました。百年記念塔などには、2年前にも同僚議員と3施設の視察に行き、現状などを見てきました。その際は、博物館側から行ったので、余り感じませんでしたが、今回は、正面側から行き、25年以上前に子どもと行って遊んだ広場を見て、懐かしく感じました。また、記念塔の前の広さを実感し、記念塔の大きさについても改めて感動を覚えました。
 
先日の台風の影響で、広場に植えられていた大きな木が数本倒れ、処理されて、安全な状態になっていましたが、あれを見る子どもたちにとっても、自然の力を実感できる教材なのだなと思いました。
 
今回の素案では、記念塔の前の広場について、規制を緩和して、バーベキューもできるようにするとも記載されていましたが、大変よいことだと思います。かつては、休日ともなると、多くの家族連れでにぎわっていたことを思い出し、利用しやすい公園として生まれ変わることを望んでいます。
 
また、説明が長くてわかりづらいわけですが、記念塔を解体した跡地には、「はるか太古から綿々と続く北海道の歴史・文化と、今日の北海道を築き上げてきた幾多の先人の思いを引き継ぐとともに、お互いの多様性を認め合う共生の立場で、未来志向に立った将来の北海道を象徴する役割を担うもの」として、新たなモニュメントを設置するということであります。ぜひとも、敷地内に、百年記念塔があったあかしや、当時の人たちの努力とさまざまな思いがわかる施設も設置すべきと思います。
 

■多様性を認め合う共生の立場で新たなモニュメント

【議長大谷亨】知事高橋はるみさん。
 
【知事高橋はるみ】──次に、百年記念塔についてでありますが、百年記念塔は、北海道100年記念事業の一環として建設されたモニュメントであり、先人に対する感謝と躍進北海道のシンボル、さらに地域のランドマークとして、これまで道民に親しまれてきたものと認識をいたします。
 
道では、このたび、記念塔に関する道民の方々の思い出や記憶などを取りまとめ、保存する取り組みのほか、その跡地に、はるか太古から綿々と続く北海道の歴史、文化と、今日の北海道を築き上げてきた幾多の先人の思いを引き継ぐとともに、お互いの多様性を認め合う共生の立場で、未来志向に立った将来の北海道を象徴する役割を担う新たなモニュメントの設置などを内容とする素案を取りまとめたところであります。
 
【議長大谷亨】環境生活部長渡辺明彦君。
 
【環境生活部長渡辺明彦】百年記念塔の今後の対応についてでありますが、道では、これまで、道民ワークショップの開催や専門家からの意見聴取、大学への出前講座のほか、アンケート調査の実施など、さまざまな取り組みを行い、道民の皆様の幅広い御意見を伺ってきたところでございます。
 
記念塔に対して、周辺施設の利用者の方々からは、存続を希望する意見が多い反面、全道のアンケート調査では、「解体もやむをえない」との意見が多く、道民の皆様の間にさまざまな考え方があることは承知しております。
 
しかしながら、記念塔は、建設から50年近くが経過し、老朽化が進み、さび片などの落下もあることから、公園利用者の安全性を確保することが重要であるため、平成26年より立入禁止としているところでございます。
 
道におきましては、これまで、さまざまな専門家の方の知見を伺いながら検討してまいりましたが、塔の構造上、今後も、老朽化の進展を完全に防ぐことは非常に困難であり、安全性の確保の観点などから、解体もやむを得ないと判断したところでございます。以上でございます。
 

■解体の理由としては説得力に欠ける

【菅原和忠】ただいま答弁をいただきましたが、指摘を含めて、再質問をいたします。最初に、百年記念塔についてです。
 
解体するとの結論に至った理由について伺いましたが、47年経過した記念塔を今解体するという結論に至った理由としては、説得力に欠けます。素案を読んでみても、その結論には至らないのであります。
 
当然、47年前も専門家の意見を聞いて建てたのでしょうし、途中でしっかりとした補修をしていたらとの思いもあります。比較してどうかとは思いますが、百年記念塔より15年早く、昭和32年に建てられたテレビ塔はどうなのでしょうか。補修しながら、この先も存在し続けると思います。解体という結論に至らざるを得ないとしても、今の素案のままでは説得力に欠けると思います。
 
アンケート調査や協議会開催など、丁寧な手順を踏んでいることは理解できるので、素案の資料編などについては、安全性、維持管理費の問題をもっと理解しやすい表現や記載とすべきであると指摘しておきます。
 
また、百年記念塔があったあかしや、当時の人たちの努力とさまざまな思いなどがわかる施設を設置し、建設された経過などを何らかの方法で後世に残すことも重要との考えから所見を伺ったところ、記念塔に関する道民の方々の思い出や記憶などを取りまとめ、保存すると回答されていました。
 
せっかく、そのような取り組みを検討されているのなら、記念塔があった周辺で検討されることを指摘しておきます。次に──
 
(この質問は無視され、誰も答えませんでした)
 

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