第四回定例会 環境生活委員会終日委員会(令和3年12月15日)
自由民主党・道民会議 道見 泰憲先生 (札幌市北区)
記念塔に思いを馳せた先達を愚弄することは
絶対に許すことが出来ません
道見委員
言うまでもなく北海道百年記念塔は、昭和43年11月に北海道開道百年を記念して着工されております。それは、昭和46年4月から一般公開され、道内に限らず国内外からの来訪者に親しまれてきました北海道のシンボルとなっています。特筆すべきは、当時の先人によって、特定人物の顕彰に限定せず開拓の先人に対し感謝と慰霊のまことを捧げるためや、将来に向かってたくましい北海道の建設を誓う総意を込めた記念塔という思いが込められていることであります。
この他、塔の根元にアイヌと和人の全ての先人への慰霊と感謝を込めたアイヌ文様を壁面に施した石積みのモニュメントを設置する案も存在したと聞きますが、予算不足を理由に実現しなかったとされております。
時は流れ、平成29年11月には、百年記念施設の継承と活用に関する考え方が取りまとめられ、平成30年12月に『ほっかいどう歴史・文化・自然「体感」交流空間構想』が決定されるまで、様々に検討が重ねられてきたことは周知の事実であります。
しかし、その後も「北海道百年記念塔」の存続に対しては、賛成と反対の双方の立場から市民運動が展開されていることは、皆さんもご存じのことかと思われます。そのような中で先日の環境生活委員会で、解体に向けた実施設計が取りまとめられたことを受けて報告がなされたところです。これらを受けて以下数点質問をさせていただきます。
先人の思いを込めて建設された「北海道百年記念塔」を解体することについて、道の立場をお示しください。特に、解体が決定された以降に賛否が道民から示されていますが、検討を重ねてきた道として、この動きにどのように影響を受けているのか、応えているのかについても言及していただきたいと思います。
文化振興課長
記念塔のあり方についてでございますが、記念塔は、先人に対する感謝と躍進北海道のシンボルといたしまして、これまで約50年間にわたり、道民の皆さまに親しまれてきたところでございますが、老朽化の進行によりまして、錆片の落下等が確認されましたことから、道では、専門家の方々の知見も伺いながら、その保存・活用の可能性も含め、様々な観点から検討を重ねてきた結果、塔の構造上、今後の老朽化の進行を完全に防ぐことは難しく、公園を利用される方々の安全確保や将来世代への負担軽減の観点から、解体もやむを得ないとの判断に至ったところでございます。
また、塔の存続を求める団体の方々から、署名や質問状の提出があるなど、塔の解体に関しまして、地元住民の方々の思いや様々な意見があることは承知しており、道といたしましては、質問状への回答などにおきまして、その都度、丁寧に対応させていただくとともに、報道機関やこうした団体の方々に、塔の現状をご覧いただいたほか、地元町内会や記念塔を校歌・校章に用いている学校に直接お伺いをし、改めて、「交流空間構想」でお示しした内容について説明するなど、道の考え方をご理解いただけるよう、できる限り丁寧な対応に努めてきたところでございまして、今後とも、様々なご意見に対しまして、丁寧に対応してまいる考えでございます。
道見委員
道は、前回の委員会で現時点での解体する場合の概算の工事費とあわせて、維持管理させていく場合の試算も公開をしています。
維持管理については、これまでの46年間に掛けてきた約9億円に対して、今後50年間に30億円程度と想定しています。「これまで」と「これから」の対比の金額差が余りに大き過ぎます。
過去にも大規模修繕は行われていて、単純にコストを解体の理由とするには片手落ちです。解体の決め手とされた修繕しきれなくなったとする排水対策を中心とした理由を、今後50年の維持管理費にどのように見積もったのかの詳細を教えてください。
一体、今後の維持管理について、どのような内容で想定された見積もりとなっているのでしょうか。行政にありがちな過剰なものとはなっていませんか。それは過不足のないものであると判断できるものなのでしょうか。それを誰が判断できるものなのでしょうか。見解を伺います。
文化振興課長
維持管理費についてでございますが、道では、実施設計の結果を公表するにあたりまして、「交流空間構想」の中で明記しておりました、今後50年間の維持管理費につきましても、別途、設計・施工の専門業者に調査を委託し、その結果につきまして、あわせてお示ししたところでございます。
この調査を受託しました株式会社ドーコンにおきましては、塔の施工者である伊藤組土建株式会社と合同で、検討委員会を設置し、専門的な知見に基づき調査が実施されたものと認識しているところでございます。
今後50年間の維持管理費の内訳といたしましては、早期に措置すべき経費、5年又は10年サイクルで経常的に措置すべき経費、塔の外部及び内部の大規模修繕に要する経費、エレベーターの修繕に要する経費となっておりまして、このうち、委員ご指摘の排水対策につきましては、外板接合部の錆遅延措置として、塔外部の大規模修繕の中で、目地の塗装・補強工事を行うこととしているものと認識をしているところでございます。
道見委員
今、答弁いただいたところではありますが、指摘を加えておきます。道は実施設計会社と当時の建設会社が検討委員会を設置して調査を実施させた内容を根拠としております。この委員会が官と認識できるものなのか、民と認識できるのか、今は不明ではありますが、行政にありがちな過剰な見積もりであるのかを判断する必要があると考えます。
そもそも基準が異なっているのではないかと考えているからです。検討委員会に求めた内容と存続を希望する皆さんが求める内容の比較が必要であると考えられます。道が将来世代に負担を残さないとする解体の根拠の大きな一つについて根拠が定かとはなっていません。
一方で存続させるとしても誰が存続させるのか、あと何年存続させるのか、最後に誰が解体をさせるのか、そのときの解体費用は誰が用意するのかなど、存続させるとしても明確にしておかなければならない課題は山積しています。それらは簡単に判断できるものではありません。むしろこれらを将来世代に残すことの方が無責任だと思うのであります。
道は与えられる限りの中で、残される時間の限りに賛否両論に向き合う必要があるのです。解体の結論ありきのこれまでの対応は決して褒められたものではありません。道が示してきた維持管理の年数設定と維持管理メニューについては、しかるべき検討の上で基準を公開して再検討を求めることになります。ご承知おき願います。
解体費については、平成29年調査時には4.4億円、今回の実施設計時には7.2億円と想定されています。1.64倍です。主な増加理由として解体方法の変更や各撤去数量の増加等が挙げられておりました。
この解体費の設定は、解体費を比較されることでコストが対比されていて、より多額の費用が必要であるからこそ解体が妥当とされてきた向きが感じられます。であるならば、解体費の増額は、維持管理費との差を縮めることに直結し、コスト効果による有利性は減少してしまいます。
まして、維持管理費の幅を50年間としていることから、コスト対比として適切であるのかに疑義が残ります。道は、この度の増額の理由についてどう捉えているのか、また、今後の資材や人件費高騰などの影響から、どの程度の更なる解体費の増額を見込んでいるものなのか、見解を伺います。
文化振興課長
解体工事費についてでございますが、平成29年の調査におきましては、塔の内側に作業用の足場を設置し、解体を進めることとしていたところでございますが、工事に伴う落下物による被害を防止するため、作業工程を細分化するとともに、塔の内側に加えて、外側にも足場を設置して解体を進めることとしたことや、公園を利用される方々の利便性を勘案し、工事用道路の位置を変更したこと、さらには、平成29年以降、労務・資材単価が上昇していることなどによりまして、解体工事費が増加したところでございます。
現在、予算計上に向けて、更なる経費の圧縮を図るべく、外構工事の見直しなど、工事内容や金額の精査を行っており、現時点におきまして、更なる増額は見込んでいないものの、引き続き、社会情勢の変化などを注視してまいる考えでございます。
道見委員
一方では、存続させるにもあまりに多くの課題を抱えることは、さきほども申し上げたように明白です。さきほど伺った、修繕しきれなくなったとする排水対策をはじめとして、形あるものはいつか朽ちるという自然の摂理とも言うべき、さきほどの繰り返しになるけれども、一体、いつまで存続させる考えなのかなどの存続前提の立場での検討が十分ではなかったと思うのです。存続させるにしても、手法は維持管理だけではないはずだと思います。
道は、存続を訴える団体や道民の方々から「存続させよ」との要望を聴くに留まることなく、具体的な存続計画を伺うなど、丁寧に対応し、解体した場合と対比した上で疑問を解消していく必要があると考えています。
道として、解体前提で議論を進めてきたならば、冒頭に申し上げた、開拓の先人に対し感謝と慰霊のまことを捧げるためや将来に向かってたくましい北海道の建設を誓う道民の総意を込めた記念塔、という思いを完全に踏みにじるものでしかないということになります。
道が想定した今後50年間の維持管理とは別の方法があって良いと考えているのですが、道の見解を伺います。
文化局長
これまでの検討などについてでございますが、道では、塔のあり方の検討にあたりまして、道民ワークショップの開催や専門家の方々からの意見聴取、アンケート調査の実施、さらには、パブリックコメントなどを通じまして、道民の皆様からご意見を伺う中で、塔の危険要因を取り除く提案など、様々な考え方があったことから、塔を保存・活用する可能性について、専門家の方々の知見も伺いながら、「交流空間構想」でお示しをした「展望室への立入を可能とする場合」や「モニュメントとして維持する場合」に加え、「外壁の素材を変更する方法」や「低層部のみ保存する方法」、「自然に朽ち果てるのに委ねる方法」などにつきましても検討したところでございます。
最終的に、塔の構造上、老朽化の進行を完全に防ぐことは難しく、公園を利用される方々の安全確保などの観点から、解体もやむを得ないとの判断に至り、こうした道民の皆様から寄せられたご意見や検討経過も含めて、「交流空間構想」の案を議会にご報告を申し上げ、多くのご議論をいただいたところでございます。
道といたしましては、塔の解体に関して、地元住民の皆様の思いや建築の専門家の方々の考えなど、様々なご意見があることは承知をしており、解体の判断に至った道の考え方や北海道の歴史・文化と今日の北海道を築き上げてきた幾多の先人の思いを引き継ぎ、お互いの多様性を認め合う共生の立場で、未来志向に立った将来の北海道を象徴する役割を担う新たなモニュメントを整備することにつきまして、今後、地元を含め道民の皆様に説明をさせていただく考えでございます。
道見委員
ちょっと角度を変えて質問をしたいと思います。日本国内を始め世界には塔とされるものが様々ある訳でありますが、鉄骨もしくはその鉄骨に類するもので現存された建築物が、50年も保てないというものに対して、道としてどう考えているのか、どう自己評価をされているのかを伺いたいと思います。
例えば、国内であれば東京タワー、1958年ですね、もう63年経っております。スカイツリーができてもなお解体の話などは出てまいりません。通天閣、これも地域の象徴として親しまれている塔でありますが、1956年、これも65年が経過しております。世界に目を向ければ、エッフェル塔などは1889年ですから、132年経過している訳であります。これに対して百年記念塔は、50年というところを一つの節目として解体の検討に入った。
これはですね、言い過ぎなのかもしれませんが、管理者の過失も問われて当たり前というような状況なのではないでしょうか。さきほども申し上げました、自己評価をどのようにされているのかをまずお聞かせください。
文化局長
道といたしましては、これまで維持管理計画を策定いたしまして、その中で適切に管理を行ってまいりましたが、雨水が浸入し、溜まりやすく、水分に触れたままで乾燥する機会の少ない箇所において、錆や腐食が進行するなど、錆片の落下等を招いているものとされているところでございまして、そういった現況がありますけれども、道としては、これまでも管理計画に基づいて実施をしてきた、というところでございます。
道見委員
それは違いますね。私が申し上げているのは、国内もしくは世界に様々に塔がある中で、それぞれ適切に維持管理をしてきた立場の中で、そのように親しまれてきた。一方で、今おっしゃった理由は、言うなれば適切に管理をしてこなかったとの説明をされていることであって、自己評価を伺った訳ですから、至ってなかったと、認めていただくしかないと思います。
結果として、今答弁していただいた事象が存在することは承知しています。それを違うと言うつもりはありません。しかし、それを50年間招いてきた道は、管理者として問われるべき問題を見過ごして、スルーしてこの議論を進めていく訳にはいかないと思う訳ですがいかがでしょうか。
文化局長
専門家の方々の知見を伺いながら維持管理計画を策定し、それに基づき、繰り返しになりますけれども、管理を行ってきたということでございまして、そういった中で、さきほども申し上げましたが、雨水の浸入ですとか、そういった要素で錆等が進行している、というような状況でございます。
道見委員
まあ、なかなかこの場でお認めになれないという状況なんだろうと想定いたします。お伝えしたいのは、何もこの場で道の責任を明らかにして、解体を阻止しようなどという、そんな浅はかなことを考えているのではなくて、寄せられた意見に対して、解体を決定し、様々な構想を整えながら、進んできたものに対して、それでもなお、クラウドファンディングを募りながら道民への意見広告であるとか、大きな動きが存在するものに対し、道が目をそらして進めることは許されない、はばかれると考える立場から、この点に関して、ちゃんと道として、さきほど一問目でも答弁されたところではあるけれども、丁寧に対応すると言っている以上、丁寧に対応しないことは今後許されないことということを明確にしておきたいと思うのですが、いかがですか。
環境生活部長
塔の存続に関するご意見などにつきましてでございますけれども、道といたしましては、さきほどもご説明させていただいておりますが、様々なご意見をいただいております。その中で私どもといたしまして、その回答などにつきましては、その都度回答させていただいているつもりでございますが、今後におきましても、様々なご意見があると思いますので、そういった思いに関しましては、丁寧に対応させていただきたいという考えでございます。
道見委員
部長にまでご答弁をいただきましたので、もう、それを信用するしかありません。くれぐれも宜しくお願いします。
先ほど伺った存続方法の聴取や検討を含めた賛否双方の主張を慎重に検討するためには時間が必要となります。道は、存続を希望する方々だけではなく、解体推進を希望する方々の考え方も把握する必要があると思います。私は、個人的に存続を希望する立場ではありますが、極めて間違った認識の中で、当時の記念塔に思いを馳せた先達を愚弄することは絶対に許すことが出来ません。
今後も何度でも繰り返しますが、今を生きる私たちは、お爺ちゃんやお婆ちゃん、父さんや母さん、開拓に関わられてこられた全てのご先祖様の労苦によって、このような文化的で衛生的な暮らしを営むことができていることを忘れてはならないのではあります。それを子孫に繋ぐ責務があると考えます。
それが150年以上にわたる北海道の開拓の歴史なのであります。それを否定することを理由として、北海道百年記念塔を解体させることは出来ません。今一度、存続や解体、その他の方法も含めて検討する時間を確保したいと考えているところであります。
ならばどのような方法が考えられるのか、存続させるにしても感情で無計画に委ねることも無責任過ぎると考えております。解体させるにしても、これまで述べてきたような先達の思いを何らかのモニュメントで代替出来る訳もなく、その大志を継承しつつ、決して捻じ曲げられた誤認によって解体を容認することは出来ません。その何らかに込める思いは、先達の大志と共に、北海道の未来人に正しく伝わらなくてはなりません。
道には、第三の道を探る選択肢を含めた謙虚に慎重に検討する時間を確保する必要があると考えておりますが、見解を伺います。
環境生活部長
記念塔に関する今後の対応についてでございますが、道におきましては、保存・活用の可能性も含めまして、様々な観点から検討するために、専門家や有識者の方々の知見を伺ってきたところでございますが、その構造上、今後の老朽化の進行を完全に防いでいくことは難しく、平成29年のあり方検討以降、塔の老朽化の状況などにつきまして、広くお示しするとともに、道議会でのご議論も踏まえまして、慎重に検討を重ねてきた結果、公園利用の方々の安全確保或いは将来世代の負担軽減の観点から、解体もやむを得ないとの判断に至ったところでございます。
道としましては、記念塔の解体に関する道民の皆様のご意見を真摯に受け止めつつ、解体の判断に至ったこうした考え方ですとか、周辺広場の活用の方向性などにつきまして、地元の方々をはじめ、道民の皆様への説明の場を設けるなどして、道の考え方をご理解いただけるよう努めるとともに、公園を利用する方々の安全確保が何より重要との考えの下、塔の老朽化の状況はもとより、現在精査を進めている解体経費の内容、さらには先人の方々の思いを継承する手法などにつきまして、様々な要素を総合的に勘案しまして、適切に対応していく考えでございます。
道見委員
質問を重ねます。今回、道と意見交換をする中で、どうしてもお互い歩み寄れなかった点があります。それは、寄せられる意見に向き合う姿勢であります。これまで質問してきたことで明らかのように、道が安全性や各予算の根拠について揺らいできたことは明らかなことでありますし、加えて道民から寄せられている賛否に対して決して丁寧に対応してきたとは言えないと受け止めております。それは、先ほどもありましたが今後行うとしている説明会で道の考え方を理解していただく場としてしか位置付けていない答弁から明らかであります。
道民に対して責任を果たす覚悟は道にないのでしょうか。道は、なぜそれほどまでに解体にこだわるのでしょうか。解体しなければならない理由が先ほど挙げたような老朽化なり、安心安全以外に何かあるんではないでしょうか。それは何なんでしょうか。見解をお聞かせください。
文化局長
記念塔に関する今後の対応などに関する重ねてのご質問でございますけれども、塔の周辺広場の活用の方向性につきましても、今後設けることとしております説明の場におきまして、地元住民の皆様はもとより、他の地域の皆様にも、時間を確保しながら丁寧に説明をさせていただくことになりますけれども、道の説明に関して、参加者の方々から発言があった場合には、その発言を真摯に受け止めてまいりたいと考えております。
道見委員
これは意見交換の中でも言いましたが、説明会というものは決して道のアリバイ作りの場であってはならないと思うのであります。道の考え方を説明する場ではなくて、寄せられる意見に対して道が向き合うかというのが大切なのであって、これまでそれをしてこなかったものに対して今後進んでいくスケジュールの中で行う説明会でそれが果たせることを約束してほしいわけです。今の質問の冒頭でも申し上げました。道側との意見交換をするの中でどうしてもお互い歩み寄れなかった点がそこです。
道のこれまでの考え方を説明する場というのはいわばもう不要です。寄せられた意見に対して向き合う場として説明会を設けていただけるならば、大歓迎でありますし、今までの質問の中で重ねてきた、例えば解体費用の今後の上昇というか、様々な理由に対して増加される見込みのあるものについてどうしていくのか。更には維持管理のコストがどうして50年なのか。50年である必要はないわけでありますから、その金額差について、差が無くなっていくときにどうするのか。
一方、存続するにしても先ほど申し上げたような、どのくらい残すのか。形あるものはいつか壊れるわけでありますから、誰が解体するのか。様々にその疑問が残っている中で、しっかりと道として向き合うということを申し上げているわけでありますから、この趣旨においてちゃんと説明会を実施していただけるという約束をいただきたいのですが、いかがでしょうか。
環境生活部長
記念塔に関します今後の対応についてでございますけれども、この度の実施設計の内容ですとか、周辺広場の活用の方向性などにつきましては、今後設けることとしております説明の場におきまして、道民の皆様に丁寧に説明させていただく考えであります。その際、参加者の方々から発言があった場合には真摯に受け止めながら、「交流空間構想」の推進に取り組んでまいる考えでございます。
道見委員
今部長から答弁をいただいた内容を素直にそのまま受け取ると、道の考え方を説明する説明会だという説明です。もし意見が寄せられたら丁寧に対応する、その丁寧に対応する部分が私が先ほど言った寄せられた意見に対してしっかりと向き合っていくいう意味合いなのかどうかの確認をさせてください。
環境生活部長
記念塔に関する様々なご意見に関してでございますけれども、道といたしましては、これまでも様々に寄せていただいておりますご意見に関しまして真摯に対応してきたつもりでございます。今後におきましても、そういった対応で向き合ってまいりたいと考えております。
道見委員
水掛け論ぽくなってくるのでどこかで区切りを付けなければなりませんけれども、これまで対応してきたものにも問題があると先ほどから申し上げておりますので、そのように対応していくというのは、いわば拒否にしか受け取れない。要するに残された時間の中でもそれらの意見に向き合うことすら拒否する道の態度は問題だと思いますけれども、完全にこれはここで決着を付けておかなければならないといいますか、行われるはずの説明会、若しくはそれまでに寄せられるものに対して向き合う覚悟を求めているわけでありますから、重ねてその点に関して要望しますがいかがでしょうか。
環境生活部長
記念塔に関します様々なご意見に対する対応についてでございますけれども、繰り返しの答弁で大変恐縮でございますが、私どもといたしましては、これまで寄せていただいております様々なご意見に対しまして、可能な限り丁寧に対応してきたつもりでございます。引き続き、そうした対応をとっていきたいと考えてございます。
道見委員
これまでもお話ししてきたように、中々合意を得られないというか、担保がとれない質問と答弁になっているものと受け止めております。
この局面における百年記念塔の安心・安全が解体の免罪符になるわけもありませんし、道が示してきた根拠が一つ一つ別の考え方に移っていく中で、どう捉えるのかというのが、色んな潮目だとか、我が自民党の会派も含めて、今後様々な動きがでてくるであろう中においては、これは未来のことで断言はしませんけれども、道の皆さんにも、しっかりとそれに向き合っていただきたい。
道の皆さんから寄せられる様々な意見、議会の中の議論も含めて、道がこれまでとってきたものの、継続が解体につながるということは絶対に避けなければならないと考えているものであります。
皆さんは先日、机上配布された文書をご覧になられたでしょうか。あえて特定はしませんけれども。私に言わせれば、誤認著しく、恩讐の先にある解体は未来に禍根を残すものになってはいけないと考えているし、それを主張される方々にも言い分はあると思うのです。
しかし、道は、それを代弁する必要はありません。あくまでの第三者であるべきです。過去の否定に加担する必要はないと考えております。私は、多様性とは、他方の否定からでは何も始まらないと信じていますし、共生とは、否定からでは何も生まれないと信じております。
今後、第二回定例会あたりに、解体発注への決裁等が行われてくることになると思いますけれども、少なくともその間にも議論を進めていかなければならないと考えておりますし、必要によってはそれ以上の時間をかけてでも補完をしていかなければならない課題であると私は考えています。
必要なことは、排除ではありません。共生であるべきです。一方を否定する選択は、北海道と未来人に残すべき文化ではないと考えております。
この質問については、地元の方々と連合しながら継続していきます。地元の方々の意思に反したものにする考えはございません。時に知事にも直接答弁をしていただく機会を得なければならないと考えていますので、よろしくお願いいたします。
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